リキが全盲になったあと、家の中を大きく作り替えたわけではありません。
私たちが実際に変えたのは、リキが自分で場所を把握しやすくすることと、事故につながる場所を減らすことでした。
この記事では、一般論ではなく、全盲の柴犬リキと暮らすために私たちが家で実際に変えたことだけをまとめます。
1. ドアへ向かう直線のカーペットを、違う毛足に変えた
家ではタイルカーペットを使っています。
その一部、特にドアに向かう直線部分は、周囲とは異なる毛足のカーペットに変えました。
足裏の感触が変わることで、「この先にドアがある」と分かる手がかりになればと考えたためです。
また、リビングの中でも狭い場所には、同じように周囲とは異なる毛足のカーペットを使っています。
リキが実際にどの感覚をどの程度使っているかは分かりません。
ただ、全盲になったあとも家の中を自分で移動できているため、私たちはこうした床の感触の違いを残しています。
2. ごはんと水の皿が動かないようにした
給餌用の皿と水の皿は、位置がずれたり動いたりしないようにしました。
もともと、1回目の眼科手術後に硬いエリザベスカラーを付けたままでも食べたり飲んだりしやすいよう、食器台を購入して使っていました。
2回目の手術後も同じ食器台を使いましたが、このときは全盲になっていたため、エリザベスカラーを食器台へぶつけることがありました。
そこで、食器台をトレーの上に載せ、食器台の脚を粘着テープでトレーへ固定しました。
この形にしてからは、リキがカラーをぶつけても台が大きく動きにくくなり、水が床までこぼれることもなくなりました。
エリザベスカラーが外れたあとは、重さのある2連タイプの食器を使っています。
リキは食器の位置を確認するときにマズルを当てることがありますが、この食器は重さがあるため、その程度では簡単に動きません。
ごはんと水を並べて置けるのも便利ですが、リキ自身はこの場所の水をほとんど飲まず、別の場所に置いた水を飲んでいます。
リキは現在も自分で水を飲みに行き、ごはんを食べています。
だからこそ、人が毎回案内するのではなく、リキ自身が「ここにある」と覚えられる状態を保つようにしています。
手術直後に使った食器台はこちらです。
【実使用レビュー】ペット用食器台|エリザベスカラー装着中の食事に使った工夫 →
エリザベスカラーが外れたあとに使っている食器はこちらです。
3. 2階には連れて行かないようにした
これは、実際に事故が起きたあとに変えたことです。
全盲になったあと、リキが一度、階段から落ちてしまったことがあります。
幸い大きなけがはありませんでした。
ただ、落ちた直後のリキはパニックになっていました。
それ以降、私たちはリキを家の2階へ連れて行かないようにしています。
「慣れれば階段を使えるかもしれない」と練習させるより、私たちの家では階段そのものを生活範囲から外すことにしました。
これはリキと私たちの家の場合の判断です。
4. 蓋を開いた段ボールを床に置かない
もうひとつ気をつけるようになったのが、床に一時的に置く物です。
特に、蓋を開いたままの段ボールは置かないようにしています。
段ボールの蓋が立ち上がると、ちょうどリキの目や顔の高さに来ることがあるからです。
家具を大きく変えるより、こうしたその日だけ現れる障害物を作らないことの方が、日常では重要だと感じています。
5. 家の中を歩くとき、少しゆっくりになった
リキは昔から私の後をついて歩くことがあります。
全盲になってからは、家の中を歩くときに後ろへリキがいないか以前より気にするようになりました。
人間側が急に方向を変えたり、速く歩いたりしないよう、少しゆっくり歩くことも増えました。
大きな設備を増やしたというより、家族側の動き方を少し変えた、という感覚です。
家を全面改装したわけではありません
全盲になる前は、「家具を全部動かした方がよいのでは」「家中を保護しなければならないのでは」と考えることもありました。
実際には、私たちの家では全面的な模様替えはしていません。
変えたのは、
- ドアへ向かう直線や狭い場所のカーペットの毛足
- ごはんと水の皿が動かないようにすること
- 2階へ連れて行かないこと
- 開いた段ボールなど危険になりそうな物を床へ置かないこと
- 家族が少しゆっくり動くこと
です。
リキがすでに覚えている家の環境を大きく崩さず、必要なところだけ変えるという形になりました。
「できないようにする対策」と「自分でできるようにする対策」
家での対策には、2種類あると感じています。
階段のように事故につながる場所は、そもそも使わせない。
一方で、水を飲む、部屋を移動する、ドアへ向かうといったことは、リキ自身ができるように環境を安定させる。
何でも人間が介助するのではなく、危険なことだけ止めて、自分でできることは残す。
今のところ、私たちの家ではこの考え方が合っています。
全盲になった現在のリキの日常はこちらです。
全盲の犬はどう暮らす?リキの場合、介助はほとんど増えませんでした →
階段の一般的な安全対策はこちら。
家全体の危険を整理したい場合はこちら。
